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妻の闘病記

リハビリの先で

2020年9月下旬厳しいリハビリの先で退院の目処が立った。最初は正直、暗い道のりの中に少しばかりの優しさを添えるためだけの提案だと思っていたし、実際に退院まで漕ぎ着けられるとは思っていなかった。それくらい当初の余命一週間という宣告には重みが...
妻の闘病記

三途のオーダー

2020年8月中旬それからの日々も毎日状況が変わっていった。抗がん剤治療が開始されたため、日々病状に変化があった。緊急入院当初は酸素吸入器がつけられ、抗がん剤治療が始まるまでの日々でその吸入量が増やされていっているような状態だった。自力での...
妻の闘病記

ルーティン構築

2020年8月5日〜午前中からお昼過ぎまで仕事をして、病院へ荷物を届けて妻と面会し、ご飯を食べて残りの仕事を片付け、友達や家族と電話する。ここからの日々はただひたすらそれを繰り返した。闘病する妻を支える生活でのルーティン構築が早々に出来たこ...
妻の闘病記

人を頼る

2020年8月4日後半目が覚めてもまだ外は明るかった。落ち着きなく佇む吸殻を見てさっき聞いた話が夢ではなかったことを知らされる。後回しにならないうちに会社のチャットで上司へ連絡を入れた。「こっちは気にすんな、今はとにかく奥さんの側にいてあげ...
妻の闘病記

はじめの宣告

2020年8月4日前半その日もよく晴れていた。前日の夕方頃、医師から電話があった。直接話がしたいので妻の両親と私とで病院に来てほしいと。入院から数日は夕方頃に向かって洗濯物を交換し、手短に医師と話す日々だったが今回は夕方より前に来てほしいと...
妻の闘病記

白の恐怖

2020年7月30日に妻が入院した。久し振りに過ごすひとりの夜は痛く静かで孤独に感じた。入院翌日(2020年7月31日)主治医と挨拶。肺に異常が認められたため、入院先は呼吸器外科だった。ガランとした病室で昨日の検査結果の現状報告を受ける。C...
妻の闘病記

緊急入院

2020年7月二人での巣籠もり生活も板についてきた頃。お腹の痛みはエスカレートしていった。頻度・痛み両方のレベルが上がってしまったため、産婦人科から近所の大きい病院の紹介状を出してもらうことになった。やっとか、という思いが強かったが、コロナ...
妻の闘病記

予兆

妻の闘病記録を残していくにあたり、どこから書き始めるべきか悩んだ。直近のことからなのか、それとも病気の予兆が出てきた時か。はたまた馴れ初めからか。割と本気で馴れ初めから書いてやろうと考えていたのだけど、本来の目的である闘病記を時の経つ前に書...
妻の闘病記

一年と二ヶ月

皆さまへ妻、由理は子宮体がん闘病の末、2021年9月26日に逝去しました。お世話になった皆様へ、生前のご厚誼に深く感謝するとともに謹んでお知らせ致します。突然の報告となり申し訳ありません。一度にすべてを伝えることは困難なため、今回はがんに侵...
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