2024/09振り返り

急ハンドルで四季が切り替わっていく。
“季節が移ろう”という言葉が好きなのだが、感覚としての味わいは随分と薄らいでしまっている。
移ろうというよりは切り替わる、というニュアンスに変わっているような。大味なサービスに閉口しつつも、なるべくそんな気候さえも味わっていきたい。

そういえば先日Twitterでこんな言葉に出会った。

ナイフで切ったように夏が終わる。 | 東京コピーライターズクラブ(TCC)

ナイフで切ったように夏が終わる。
呆気なさと儚さ、北風の鋭さを感じる素敵なコピー。

さて。
振り返り、スタート。

東京マラソン2025の出走権を正式に得た。

前々から出走することを前提に行動計画を立てていた東京マラソン2025の出走権を正式に得ることができた。

なんとなく、ずっと走れる気でいたのだがそういえば出走権を持っていないことを思い出した。
ギリギリ20代扱いで難易度の高い戦いを余儀なくされたTEAM ONE TOKYOのポイントレースは、健闘虚しく出走権の取得チャンスを逃した。

プレミアムメンバーエントリー抽選も外して、追い込まれることに。
残るは都民エントリー枠と一般エントリー枠。
少し前のデータだが、都民エントリー枠は約33倍、一般エントリー枠は約12倍。
普段のジョグ中は缶やペットボトルを拾ってゴミ箱に捨てるなどして小さな徳を積んで過ごした。

一般エントリー枠の抽選結果発表は9/20。
そわそわしながら日々を過ごしていると、9/18に東京マラソンエントリーセンターからフライング気味にメールが届く。

都民エントリー枠の抽選結果のお知らせだった。
勝手に出ると決めていたものの、正式に出走権を得られてホッとした。
言霊を信じて、勝手にいくつものマイルストーンを置いて、自身のコントロール外の部分まで踏み込んだ目標設定をしていた。

あとは自身でコントロールできる部分を如何にやり切れるか、出し切れるか。
自己ベストを更新出来るように日々を積み重ねていきたい。

まずは11月に控えているつくばマラソンで2時間45分を切りたい。

そんな今月も450kmという距離を走れた。
9月23日週は過去最高の週間走行距離となる128km。
着実に強くなってきた実感とともに、11月のレースに向けて丁寧に仕上げていきたい。

前月比で言うと、距離は+5kmで約1%の上昇。しかし、総負荷に関しては+465TLということで約15%の上昇。

狙い通り、走行距離を保ちながら高負荷トレーニングの割合を増やしたことで、総負荷を無理なく伸ばすことができた。
峠走とペース走が効いたかな。

少し涼しくなってきて日陰のない河川敷でも練習がしやすくなったので、10月はもう少し負荷を上乗せできそうだ。


スマホを水没させた。

雨の日に、涼しいからと遠くまで走りに行ったら豪雨と汗でスマホを水没させてしまった。
電源は入るものの、画面は真っ暗。
諦めて翌日、同シリーズの一世代新しいスマホをゲットした。
ちょうど買い替えを検討していたものの、雨で水没するとは思わなかった。
自動バックアップが有効になっていたので、端末の引き継ぎは特に困ることもなく、失ったものはスマホ本体だけで済んだ。

と思って難なく過ごしていたのだが。
イープラスで取得していた電子チケット(スマチケ)の再発行が間に合わず、予定していたお笑いライブへ行けなかった。
前々から彼女と予定を合わせて楽しみにしていただけあって、ショックと自己嫌悪は大きかった。

ザコシ見たかったなー!

リカバリー案としてディズニーシーに行くことになった。
10年振りのシーだったが、とっても楽しかった。
ガーリックシュリンプ味のポップコーンを食べたり、グーフィーのパチモンを見つけたりして楽しんだ。

複数の友達から薦められていたソアリンにも乗れて満足。
あれは凄い。
ああいう近未来的なアトラクションを巨大資本を持つ組織が投資して作ること、それ自体にありがたみを感じた。

- YouTube
YouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。

アトラクション自体は短い時間だったけど、すごく楽しかった。
海外で大自然に触れてみたいと思った。
アルプス山脈とか行ってみたい。


妻が亡くなって3年経った。

妻が亡くなってもう3年も経つ。
ありがたいことに、私の人生は途切れることなく続いている。

今月はがんに侵される前の元気な妻が2回も夢に出てきた。
普段はあまり出てこないのだけれども。

この間はランニングの途中でお墓に立ち寄り、汗だくで線香を上げてきた。
生前から常々呆れさせていたので、今更取り繕う気もない。

石破さんが新総裁になった翌日の内閣府下交差点。走って墓参りに行くだけなのに、物々しい雰囲気で緊張した。

少し嬉しいのは、病気になる前の姿で夢に出てきてくれたこと。
これは3年という年月によるものだろう。
闘病当時の記憶が良くも悪くも薄れてきて、平和に過ごせていた頃の記憶の割合が相対的に大きくなったのだと思う。

当時のことを思い出したら、あまり胸を張れた夫ではなかったな、と内省した。
ただ、この3年間で私は大きく成長できた。
それだけは胸を張れる。
やることやってきたよ。

墓前ではそんな報告と、無理ない程度に見守ってほしいという旨を伝えてきた。


性欲が減衰してきた。

ショックだ。
文字にするとよりキツいな。
これは走り過ぎによるものなのか、年齢によるものなのか、一過性のものなのか。

フルマラソンのような激しいスポーツやそのトレーニングはテストステロンが低下するというデータもあるようだし、年齢のよる性欲減衰ではないと信じたい。
2ヶ月連続で450kmを走ったら、明らかに体感が違うんだよな。

あまり気にしないようにしたいが、変化の振り返りとして残しておく。


インプットしたもの。

1.攻殻機動隊 SAC_2045 | 神山健治 × 荒牧伸志

地面師たちを観終え、残りの契約期間でシーズン1を再履修してからシーズン2を観終えた。
素晴らしかった!

アニメはちびまる子ちゃん・サザエさんと攻殻機動隊くらいしか見ないので、私からしたら一番好きなアニメ作品は攻殻機動隊なのである。

ポスト・ヒューマンという敵をテーマに、現代社会の課題を問うようなストーリー。
この作品を観終えたあとに、湾岸地帯のタワマン群を通ってお台場まで走ったときはサイバーパンクの世界にダイブしたような気持ちで楽しめた。

タチコマが追ってきそうな道。
攻殻機動隊 SAC_2045 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
2045年、謎の存在"ポスト・ヒューマン"が新たな脅威となった近未来。全身義体のサイボーグ、草薙素子は再び公安9課を率いて、巨大な電脳犯罪に立ち向かう。

2.正欲 | 朝井リョウ

バイアスと偏見。
その角度・輝度と、”自分自身の棚上げ行為”に光を当てる機会を与えてくれた作品。

完全にニュートラルな人はいないし、それがただしいとも思わない。
ただ、自分がどのような姿勢で様々な物事に当たっているかは客観視してみてもいいだろう。
思いもよらない肩入れをしていることも見つかるだろう。

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3.「時間」はなぜ存在するのか 最新科学から迫る宇宙・時空の謎 | 吉田伸夫

SFに疎いけど、こういうのは割と好き。
有名なSF作品をもとに、それぞれの描かれ方を解説していたが、インターステラー以外は原作をあらすじレベルでしか知らなかったので惜しいことをした。

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4.東京都同情塔 | 九段理江

抽象的だが、冷たさ・固さを感じる作品だった。

言葉のニュアンスを大事にする主人公と、その割に詰め切らない設定。
それは余白として機能させたかったのか、敢えての皮肉なのか。

イマイチどの登場人物の心にも入り込めず、結局なんだったんだろうとなってしまった。
頭の中に検閲者がいると言った沙羅のその職業病のような特性は、作者本人の叫びだったのだろうか。

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5.散歩哲学 よく歩き、よく考える | 島田雅彦

Audibleで聴くのにちょうど良い本だった。

島田雅彦氏の作品は大学時代に何冊か読んでいた。
右傾化し過ぎないように、分かりやすく極左の人の栄養を得てバランスを取るために読んでいた。

自分の中の著者像と散歩のイメージが結びつかなかったことから好奇心を掻き立てられて読んだ。身近に思える思考や、実在するお店の紹介まで、為になる作品だった。

前々から乗れない人だけど、憎めない人でもあるので、私は結局この人のことがそれなりに好きなんだと思う。
理屈で片付かないところ。

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6.破戒 | 島崎藤村

今月一番の衝撃を与えてくれた作品。

大学時代に100冊以上の純文学作品を読んで、自身の後期アイデンティティ確立に多大なる影響を得てきたが、30代になった今、また純文学作品に打ちのめされることになるとは思わなかった。

というより、今の自分ここまで作品に入り込めると信じていなかった。見くびっていた。

個人的には金閣寺に次ぐ純文学作品となった。
島崎藤村、今まで通ってきてなかったけど他のも読んでみよう。
どう考えても新生は絶対面白いもんな。
語弊覚悟。

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7.わが投資術 市場は誰に微笑むか | 清原達郎

藤村が極貧生活の中で人生を掛けて書いた破戒のあとは、投資家として800億円を超える資産を築いた清原達郎氏のノウハウ本を読んだ。

砂の中から砂金を見つけるように、割安な小型成長株に狙いを定めて投資をするという氏の投資スタイルとその成果。
リーマン・ショック時の凌ぎ方がリアルに書かれていて引き込まれた。
捉え方によって出口は変わるんだなあ。

氏が散々言っていた、顧客に損をさせて自分が儲かるのではなく、顧客を儲けさせた上で自分が儲かるという信条には強く共感した。
テイカーとして足を引っ張り短期的な利潤を得るのではなく、顧客を儲けさせること自体に力を注ぎ、その結果としての報酬を得る。
そうしてマーケットを大きくしていく。
自分自身の取り分も大きくなる、

そんな原理原則を地で実行しきった人の書いた本を読めるとてもいい時代だ。
たくさん学ばせてもらったので、私も実践していきたい。

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おわりに。

今年も残すところあと3ヶ月。
93日間をどう味わって過ごしていけるか。

来月はマラソン準備を着々と進めながら、およそ6年振りとなるライブを楽しみたいと思う。
速く走れるようになったが、ベースはすっかり下手くそになった。

とかなんだとか、この記事をまとめる文章を考えながら新宿の地下道を歩いていたら昔の元カノとバッタリ会って握手を交わすなどした。
ありがてえ、人生楽しいわ。みんなありがとう。

今日はこれから下北沢で友達のライブを観る。
人に会いに行く、来てもらう。
その行為が持つパワーの強さを信じている。

ではまた来月。

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