2024/10振り返り

ブタクサ花粉に翻弄されているうちに、夏の暑さは息を潜めていた。
季節の変わり目。今年はそれなりにグラデーションの掛け方がうまいんじゃないだろうか。
まあ、ちょっと気温高めだけど。

うまくオペレーションした地球に称賛を送りつつ、今月の振り返りをしていきたい。

マラソンシーズン開幕。

気温もだいぶ落ち着き、今年もマラソンシーズンが開幕した。
SNSに上がる横浜マラソン・水戸黄門漫遊マラソン・金沢マラソンのレース結果を見ると、ああ今年も始まったなと思う。

私の初戦は11/10の世田谷246ハーフマラソン。
78分台に乗せることを目標に、2週後のつくばマラソンに繋がるレースにしたい。
自己ベスト出すぞー。

ランニングを始めた頃に住んでいたエリアを思いっきり走り抜けるイメージをするだけでテンションが上がる。
雨上がりの駒沢公園。西日でかがやく多摩川の水面。河川敷を優雅に散歩するでかい犬たち。
すべてが懐かしく愛おしい。

過剰なくらい味わっていこう。
自分にしか感じられない味わいなら尚更、目一杯食らっていこう。

今月はイベントが盛り沢山だったが、なんだかんだ400km前後に着地。
今走りながら信号でこの記事の校閲をしてるから、走り終わったら画像上げて更新しておく。

最近は朝ランの成功率が落ちている。

6年半振りのステージ。

心の実家のような地元のライブハウス。
その実体自体は11年前の閉店によってなくなっていたが、それからは年に一回場所を借りて当時の面々を中心にライブイベントが催されていた。

私は今まで、皆勤までは行かないものの7-8割を客として参加していた。
中心人物のライブイベントにより、今年からその年一ライブイベントの実権の主体が私のもとに渡ってきた。
当時お世話になった場所・人へ恩を返す機会があるなんて、ほとんど奇跡みたいなもんだ。
恩を返すのではなく、次世代へ繋ぐ美徳ももちろんあるが、両方やってもいいじゃないかと私は思う。
そんな考えを元に、相談をもらったときはやらせてほしいと即答した。

とはいえ、8年半振りのライブハウススタッフ業、6年半振りのライブへの備えはそれなりに大変だった。
ただ、生業にしているプロジェクトマネジメント業と地続きのものであることに気づくきっかけにもなった。

手法やラベル、業種は違うが、私はずっと同じことをしているのかもしれない。

不思議な感想を覚えながら、久し振りのステージを楽しんだ。
やはり人前に立って思いっきり音を出すのは代え難い喜びがある。

バンドって楽しい。
今後は年一回は自分で拵えさえすればライブができる。

来年は誰と何をしようか。楽しみだ。

一つの夢だった革ジャンでのライブ。叶った。

ダメ元で母親を誘ったら観に来てくれたのも嬉しかった。
本気でやっていた当時は気恥ずかしくて呼べなかったから。
時間とともに、いろいろ変わる。


これからの過ごし方について。

ここ数年は目の前のことに必死で、もがきながら過ごしてきたけどすこし俯瞰して見る時間が増えた。

冷静にというより、冷めた目で自分の人生を見つめることも増えた。

その結果として思うこと。
それは、これからも、まだ何でもできるんだよなあ。ということ。
自分自身の可能性を再評価した月だった。
冷めた目で見てもまだ輝いて見える。
このくらいのナルシシズムを持ち合わせていた方が何かと楽だ。

ちゃんと求めたいものは求めて行きたい。

自分が好きなことを自分のためにたくさんやってきたけど、まだ自分の人生に遠慮していることに気付いた。
大きな気付きだ。

幸せを求めて。果てまで行きたい。
そこにこだわり続けたい。


インプットしたもの。

今月は映画3本に本9冊。
ランニングとAudibleの相性が素晴らしく、覚醒している。

1. Cloud | 黒沢清

二週間限定上映で観たChimeで、黒沢清熱がながく立っている。
そんな中で上映開始されたCloudをほいほい観に行った。

Chimeとは打って変わって、とにかく分かりやすいテーマ。
実験要素は少なく、完全にメジャーシングル曲の様相だった。

現代の炎上劇や嫌儲主義へのアイロニー。
本物(悪人)に助けられて生き残ってしまったペラペラ(結果的に炙り出された悪人)は地獄の始まりをその目に映したのだった。
類が友を呼ぶであり、弱肉強食であり、魚目燕石だった。

配信でも十分楽しめると思う。

映画『Cloud クラウド』公式サイト
映画『Cloud クラウド』公式サイト。絶賛上映中。

2. 回路 | 黒沢清

これまた黒沢清作品。
気に入ると同じものばっかり食べちゃうんだよね。

上映から23年経ったことで旨みを増している作品だと思った。
加藤晴彦やコンビニの商品棚から匂う芳醇な平成の香りを楽しめた。

回路 : 作品情報 - 映画.com
回路の作品情報。上映スケジュール、映画レビュー、予告動画。一人暮しの平凡なOLだったミチ。しかし最近、彼女の周囲では同僚の自殺、勤め先の社長の失踪など無気味な事件が相次いで...

3. 砂の上の植物群 | 中平康

吉行淳之介原作の映画。
文字からダンディズムとエロティシズムが湧き出ているから、この人の本は好きだ。

印象的に使われていた絵画の変容は、小説だけでは読み取りきれない部分だったので、映画ならではの良さがあった。

砂の上の植物群 | 映画 | 日活
映像化困難と言われた吉行淳之介の同名小説を中平康監督が映画化。パウル・クレーの絵画を効果的に引用しながら、一人のセールスマンと二人の姉妹の倒錯的な関係をフォトジェニックな映像で描く。

4. 覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 | 池田貴将

松蔭先生の冷静と情熱のあいだ にある思想を紡いだ見事な本だった。
行動ありきで、口だけ野郎にならないように自分の人生を歩んでいきたい。

結局、やりきったやつが一番偉いしかっこいい。

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5. 目的への抵抗 | 國分功一郎

國分先生の哲学はわかりやすくて好きだ。
本書においては、コロナ禍における不要不急についての言説は特にわかりやすかった。

目的や目標とは関係なく、ただやりたいと思ってやることで充足感をエられる状態。
それこそが自由なのではないか、というメッセージに深く頷いた。

動機づけをするための目的だったり、手段を正当化するための目的だったり。
仕事においてはよく用いていることではあるが、自由から遠ざかりがんじがらめにしているのはもしかしたら自分自身の言動によるものかもしれないという視点は持っておきたい。

目的の顔をした手段とか、よくあるもんね。
ちゃんと見立てていこう。

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6. 一九八四年 | ジョージ・オーウェル

ずーと読みたかったSFの金字塔。
10年前に知人に薦められてからずっと積読状態だったが、Audibleで配信されていることを知り、再チャレンジした。

不快感と共に自暴自棄になる不思議な感覚を覚えた。
作品の中に没入して息が詰まったのは久々のことだった。

真っ暗な夜の荒川河川敷を走りながら、拷問パートを聞いていたら叫びたくなった。
そりゃそうだ。

結果として先月観た攻殻機動隊 SAC_2045への理解が深まった。

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7. 仕事2.0

内容なんも覚えてない。


8. スーパーエンジェル | 島田雅彦

私はこの人の作品が好きなわけではなく、この人が好きなんだなと実感した。

なんでかは分からないけど、なんか悔しいんだよな。

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9. 君は誰と生きるか | 永松茂久

今月読んだ本で一番心に残った。

帯のもし明日死ぬとしたら、誰と過ごしますか?という問いかけを頭に浮かべながら、優しい文体で書かれたこの本を読み進めた。

社会にいると、良いとされていることや・偉いとされていること・立派とされていることに時には脇腹をくすぐられることもある。
しかし、ちゃんと地に足着けて歩いていればブレずに自分の人生を生きていける。

本当に大切な人を見失ってしまうことがないように。
目の前から目を離さないように。大切にしていきたい。

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10. メンバーが勝手に動く最高のチームをつくる プレイングマネジャーの基本 | 伊庭正康

この手の本によくある、小手先のテクニックが羅列されているわけではなくてよかった。

私自身もしっかり信託していきたい。

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11. 富士山 | 平野啓一郎

息吹という作品が心に残った。
私自身、人生の分岐点が人より多く現れてきたという自負がある。

その分岐点ひとつひとつにもう一つのストーリーがあったとしたら。
自分自身が分裂してしまうんじゃないかという描写に胸を痛めながら、この作品を消化した。

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12. 外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント | 山口周

2作目の山口周作品。やっぱいいわ。

とはいえ、の部分がしっかり書かれていて、生々しくてよかった。
そうはいっても出来ないんだよ!という現場のプロジェクトマネージャーも、この作品を前にしたら納得してしまうと思う。

プロジェクトマネジメントの本質について説いたとてもいい本だった。
現在地とゴールの点を見て、阻害要因を除去しながら線を繋いで道筋を紡ぎ出す。
それがプロジェクトマネジメントに必要なことだと思う。
共にプロジェクトを担当するメンバーがゴールを見失わないよう、しつこいくらいにゴールを意識してもらうことは取り入れてみたい。

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おわりに。

いろいろあるけど、何もないよりよっぽどいい。
もっとこい、かかってこいと、覚悟を決めて今は突き進みたい。

リスクを取らないというリスクを、私は決して取らない。
そんな決意表明をしたところで、今月は筆を置く。

ではまた、来月。

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