JR東日本がはじめたどこかにビューーン!というキャンペーンを知っているだろうか。

JRE POINTというJR東日本のポイントを使って、文字通り新幹線で「どこか」に「ビューーン!」と旅立てるというサービスだ。
今回の記事では、これを活用するまでの話と、旅行そのものについて、それぞれ振り返ってまとめていきたいと思う。
忙しい方もいると思うので、先に総括からしていきたい。
総括
- どこかにビューーン!はJR東日本ユーザ全員やるべし。
- その前にJRE BANKはJR東日本ユーザ全員口座開設すべし。
- 4つの候補駅は、消去法で絞るべし。リセマラはする前提で。
- 冬の八戸はそこまで寒くなかったし美味しいものたくさんで大満足。
- ドーミーインは素晴らしいビジネスホテル。
- またどこかにビューーン!したい!
ということで、JR東日本ユーザ全員におすすめしたいものだった。
では、以下の目次に沿って進めていく。
どこかにビューーン!のコツ
noteにもビューーン攻略記事があるので、ガチャのコツやリセマラをストップする決断については他の記事を読むことをおすすめする。
ここではバランスの良い4択に絞り込むために必要な要素を独断で書いておく。
1. 3週間前から予約可能、なるべく早く予約しよう
当然ではあるが、予約可能になった直後の方が弾数が多い。
このキャンペーンの特性上、新幹線の席数が限られている。
おそらく、通常利用枠で埋まりきらない空席分をキャンペーン利用で回しているのだろう。
そのため、予約可能になった直後に予約することをおすすめする。
「新幹線eチケット(どこかにビューーン!)」は、往路乗車日21日前の0時00分から往路乗車日6日前の23時59分まで、「どこかにビューーン!」専用サイトからお申込みいただけます。
えきねっと公式サイトより引用
出発日の3週間前の0時から予約可能だということだ。
※私は1/18(土)出発として旅程を組んでいたため、12/29(日)の朝に申し込んだ。
手元で計算したら、20日前から予約可能ということか…?
実際は予約ページで選択可能な日にちがわかるので、事前に確認することをおすすめする。
2. 一次情報を自分で確認しておこう
様々な攻略サイトがあるが、まずは公式のよくあるご質問ページを読んでおこう。
何事も一次情報の確認が大事だ。
このよくあるご質問ページはよくできていて、ただの一問一答ではなく背景情報を汲み取りやすいように作られている。
Q: 「どこかにビューーン!」が利用できない期間はありますか?
A: ご利用いただけない期間はありません。
ただし、日付や時間帯、人数によっては、行き先候補をご提案できない場合があります。予めご了承ください。
どこかにビューーン!よくある ご質問ページから引用
https://dokokani-eki-net.com/faq.html
裏を返すと閑散時間帯の一人旅では当たりを引きやすいということだろう。
「どこかにビューーン!」では座席はどのように決まりますか?
旅行者の方々が並び席で旅行できるように、座席を指定いたします。
どこかにビューーン!よくある ご質問ページから引用
https://dokokani-eki-net.com/faq.html
これを見ただけでも、例えば4人でのビューーン利用などはなかなか厳しそうだ。
Q: 表示された行き先候補が好ましくない場合、どうすれば良いですか?
A: 再検索をしていただくか、ご旅程の条件(日付・時間帯など)を変えて検索をしていただくことで、行き先候補が変わる場合があります。
なお、1日あたりの検索回数には上限を設けております。
どこかにビューーン!よくある ご質問ページから引用
https://dokokani-eki-net.com/faq.html
一日のリセマラ上限があるということも注意書きされている。
好ましくないという表現も生々しくていいよね。
3. 現地での滞在時間を気にして申し込もう
お得をすることにフォーカスし過ぎてしまうと、移動がほとんどの旅程になってしまう可能性もある。
特に田舎の駅だと、駅から旅館までのアクセスが悪かったり唯一の観光地までは一時間に一本のバスしか手段がなかったりする(だろう)。
東京感覚でギチギチのスケジュールを組むことは困難なため、多少のゆとりを持って乗車時間帯を選ぼう。
総括すると、新幹線の空席をキャンペーン利用分として有効活用したいJR東日本に寄り添いながら、利用者としてうまく乗っかる方針を定めればお得をしやすいということだ。
どこが当たったの?
では、ここまで講釈を垂れてきたあんたはどこに行けたの?という質問に回答していきたいと思う。
私はなんと幸運なことに、一発目でバランスのいい引きができてしまったので、リセマラすることなく八戸駅を引き当ててしまった。
ビューーン経験者には疑われそうだが、本当だ。
ブログネタとしては微妙だが、一旅行者としては最小の努力で最高の結果を出せたので素直に嬉しかった。

八戸か北上が当たれば、ひとまず満足できそうだ。
天童駅が当たったら、温泉に浸かりまくって蕎麦食べるくらいかな。
飯山駅が当たったら、手前で降りて長野駅か上田駅で観光しようかな。
そんなことを考えていた。

どれも終点に近い、いわゆる神引きというやつ。
長めのリセマラを覚悟して朝からPCを開いたので拍子抜けした。

このまま申し込みを進める。

ただでさえお得なのに、JRE BANKのクーポンを利用すれば2人で8000ポイント。

しかも今なら(2025年4月30日まで)口座開設するだけで最大6000ポイントもらえるから、実質無料で新幹線の往復チケットがもらえる。
意味わからん。
そんなこんなで浮足立っていると、当日のうちに行き先決定メールが届いた。

はい、神引き。
文句なし。
これで私の八戸行きが決まった。
上野駅から東北新幹線に乗車
上野駅構内で駅弁を買い、はやぶさに乗り込む。
はやぶさかっこいい。
目当ての穴子弁当はエキュート上野の工事かなんかの影響で店がやってなくて買えなかった。

現在はグランスタ店があるようなので、東京駅から新幹線に乗車するときはリベンジしたい。
今回はこの蟹とすき焼きの2色弁当にした。
これはこれでとっても美味しかった。
紐を引っ張って温めるタイプのやつ。ちょっとしたアトラクション。

八戸駅から本八戸駅へ
流れる車窓は徐々に白の割合を増していく。
仙台以北は雪が積もっていた。
もっと積もってるのかと思ったけど、想像の範囲内だった。
無事八戸駅に着く。が、ここには何もない。
比喩とかではなく、ここには何もない。
本八戸駅へ向かう電車が来るまではここのお土産屋さんで時間を潰した。
八戸駅から本八戸駅までは青い森鉄道というローカル線で向かう。
この路線にはSuicaなどの電子マネーで入場できない。
時間を潰す前に、切符を買っておくことをおすすめする。
ICカードについて
Q. JR東日本の「Suica」などICカードは使えますか?
A. 青い森鉄道線では、SuicaやPASMO等の交通系ICカードではご乗車になれません。
青い森鉄道株式会社のよくあるご質問ページから引用
https://aoimorirailway.com/guide/q_a

10分足らずで本八戸駅に到着。
一応ここもJR東日本管轄らしい。

本八戸駅は幾分栄えている。
駅の南側へ10分ほど歩いていくと繁華街があり、その周辺が栄えている。
ホテルの数もしっかりあり、観光客を受け入れる土壌がある。

宿泊先: ドーミーイン本八戸
天然温泉 南部の湯 ドーミーイン本八戸に宿泊した。
もともと気になっていたドーミーイン。
公式サイト経由で二人合わせて12600円ほどで宿泊できた。
天然温泉、サウナ、飲み放題のウェルカムドリンク、食べ放題のアイス。
夜には夜鳴きそば(半玉の中華そば)も食べられる。
今までビジネスホテルはアパ派だったが、今回ドーミーインを経験してしまったのでドーミーイン派になった。

今回は八食センターを堪能するために素泊まりにしたが、朝食では御当地メニューがあるらしいので機会があれば朝食付きプランを試してみたい。
本八戸ではせんべい汁が堪能できるらしい。

夕食: 郷土料理
宿泊先のドーミーインからほど近くにあるばんやへ行った。
多分20mくらいしか離れていない。
ばんやは18時開店で予約不可。
余裕を持って17:40頃に並び始めて、先客はおよそ8名。
そのあとはあっという間に行列が出来て第一陣が一斉に店の中へ。
並んだタイミングがよかった。余裕を持って30分前に並んでおけば間違いないと思う。
落ち着いた趣で、カウンター外で店員さんが注文を順番に聞きに来てくれたので落ち着いて食事を楽しめる。
新鮮な海産物とおばんざい。
余すことなく八戸の味覚を味わうことが出来た。

食べたものは以下。
- 枝豆の白和え
- メヌケのカマの煮付け
- 平目刺
- 生ウニ
- イカの肝和え
- なめこを辛く炊いたもの
- ザル目昆布
- つぶ貝
- タコの白子

なにこれ?八戸史上最強の打線?黄金時代到来?
ずっと意味わからないくらい美味しかった。
食レポなんか出来ない。
吉田類の酒場放浪記でも紹介された店らしく、店内はお酒とつまみのペアリングを楽しむ人々で溢れていた。
酒に脇目を振らずにひたすら地のものを食べまくる我々にもお咎めなしでオーダーを通し続けてくれたので、食事メインでの来訪もおすすめしたい。
街を徘徊
ごはんものを食べなかったせいか、たくさん食べた割にはお腹の逼迫感はない。
でも、食休み的に街を徘徊したかった。

凍結した路面に気をつけながら、酔いどれとの衝突に気をつけながら、北国の歓楽街をなぞる。
きっともうすれ違うことのない人たち。
そんな人達と同じ場所で同じ時間を楽しんだ。
ホテルに戻ったあとは温泉に浸かり、ドーミーイン名物・夜鳴きそばで〆。

これ、おかわりできるんだね。知らなかった。
一杯食べて満足。
翌日に備えて日付が変わる前に寝た。
温泉とサウナのおかげですぐに入眠できた。
朝ラン: 根城跡へ
翌朝は7時からランニング。
寒空の下、凍結した路面に気をつけて走り出す。
旅先への理解を深めるには夜の繁華街、そして朝のランニング中に眺める町並み。
双方を見ればどんな街なのか、その解像度が高まる。

道中に突如アリーナがあった。
スケートリンクがあるらしい。

この辺の英雄なんだろう。
八戸は青森県だが、青森県東部と岩手県北部はもともと南部藩とかで、弘前とは歴史が異なるようだ。
八戸(南部)と弘前(津軽)が歴史的に仲が悪いという事前知識を仕込んでいたが、確かにここは南部氏によって統治されていたという名残をこの目で見ることが出来て嬉しかった。

根城跡までの向かう公園の道中。雪が除けてあるところをひた走る。

近くへ行くには入場チケットが必要で、まだ開場していない時間だったので近くで写真だけ撮って根城跡を去った。

旅先でのランニングなので、軽めで切り上げる。
朝風呂の幸福感を上げるためのトッピング感覚だ。

3回目の温泉・サウナを堪能し、ドーミーインをチェックアウト。
露天風呂もあり、本八戸の繁華街を見渡しながらの入浴は気持ちが良かった。
東京の銭湯・スパの混雑具合に慣れている人は、この入浴体験だけで元が取れると言っても過言ではない。
朝食: 生牡蠣
ホテルからほど近くのバス停から、八食センターへ向かう。
バスの名前は八食200円以下バス。
どストレートなネーミングで分かりやすい。
バスに乗ると、途中までは朝のランニングコースと同じで少しテンションが上がった。
車窓から八戸の町並みを見ていると、20分程で八食センターへ着いた。
到着後は無料のコインロッカーに上着と荷物をしまい、身軽な状態で食材調達を開始。
一通り市場を物色し、お腹がなったところで立派な生牡蠣を堪能。
1ピース800円だったかな。
東京でこの大きさの生牡蠣は見たことないし、倍の値段はするんだろう。
ひと思いにちゅるりと。
臭みのない、牡蠣のクリーミーな味わいが口腔内を満たす。

幸せなひととき。
ほんとに臭みがない。
ばんやで食べた生ウニもそうだったんだけど、臭みがない。
贅沢な朝食に舌鼓を打って、浜焼きの食材調達に気持ちを向かわせた。
昼食: 浜焼き&刺身&ラーメン&せんべい汁
何を食っても東京より安いし、質もいい。
ここは食べないと損なのではないか。
無邪気にそう思わせてくれた八食センターの市場。
眼の前には常にこの光景。◯丸◯産より安いぞ。多分。
少なくとも満足度は段違いだろう。

いい感じのセットを購入。
浜焼きコーナーへの入場料は500円とかだったはず。席料安い。
場内ではドリンクを買える。
もちろんアルコールもあるので、最高の環境で屋根付き浜焼きBBQができるというわけだ。
果たしてここに足りないものが一つでもあっただろうか。

ちゃっかり刺盛りも購入。
浜焼きで火を通している間はこの刺身をつついた。

神々しいほどの艶を出すこの人たち。
ホタテがたまらなく美味しかったなあ。

浜焼きを食べたあとはせんべい汁で小休止。
ほうとうっぽくて美味しかった。

山梨と青森、距離はそれなりにあるけど南部氏のルーツが甲斐国ってことで、もしかしたらここでの繋がりがあったりするのかな?と想像を膨らますなどした。


青森に来たら煮干しラーメンは絶対に食べておきたいと思っていた。
私の大好物。煮干しラーメン。
ラーメン専門店ではない、食堂のラーメンとは思えない美味しさだった。
専門店に行く時間はなかったので、八食センター内に食べられる店があって救われた。
おみやげ購入
八食センターではおみやげコーナーも充実している。
ここのアップルパイをはじめとするスイーツが全部美味しかった。
特にmochi-ve(モチーヴ)というやつ。
餅のようなギモーヴっぽいなにか。
絹のような新食感。お餅のようでそうではない、少し風変わりなお菓子です。
432factoryホームページより引用
https://432factory.jp/
これを40分くらいずっと食べていたい。そう思った。
翌週に家族と合う用事があったので、おみやげを買って帰路についた。
帰りもビューーン!
八食センターから八戸駅まではバスで行ける。
そのバスの名は八食100円バス。
こっちは100円ポッキリである。Suica使えます。
帰りも新幹線で快適に帰宅。
名物・イギリストーストのコテコテトッピングバージョンを食べた。
サンリオで言うとクロミちゃん(地雷系のキティちゃんのやつ)だなと思いながら食べた。

菓子パン好きにはたまらない美味しさだった。
これはすごいよ。

青森県民なら知らない人はいない、超ロングセラーと紹介されていたからどこのコンビニでも取り扱ってるんだろうと思ったら4件全滅。
八戸駅構内の売店でゲット。
イギリストーストを食べたいならここのNewDaysで。
ここはたくさんのバリエーションが取り揃えられていた。
おわりに。
親しい人との旅行先は、実はどこでもよかったりする。
楽しい時間を共にすることを大事にしたい。
そのために旅先のチョイスは実は大事ではないのではないかということだ。
それであれば、「どこかに」の部分はJR東日本に委ねてしまい、ビューーンと辿り着いた先でどのような楽しみを見出して同じ時を過ごすかに労力を割くという選択肢があってもいいのではないか。
そんな提言をこのサービスから感じた。
地方は(有名観光地でなければ)安いし空いてるし快適だ。
Suicaの使えない改札のように、便利すぎないことで旅情を掻き立てる喜びもある。
そういったひとつひとつを味わえるか。
一緒に味わって楽しめるか。
そんなゲームとして捉えるのもおもしろいかもしれない。
「どこかにビューーン!」
とってもおすすめのサービスなので、是非使ってみていただきたい。