イクラ。魚の卵。
ハラミ。横隔膜の筋肉。
まさかこの2つを取り違えるとは思わなかった。
2023年大晦日。
見慣れないテレビ番組をぼーっと観る。
そこに映る女性タレント。
バラエティ番組に出てボートか何かに乗っていた。
この人は何者なのだろう。
ハラミちゃんと呼ばれているようだ。
ああ!YOASOBIのボーカルの人だ。
なんとなく聞き覚えのある名前だったのですぐにピンときた。
絶対音感がうんぬんかんぬんという話をしていたので、きっとそうだ。
ミュージシャンのバラエティ番組出演時のトークネタあるあるだ。
隣でテレビを観ていた彼女もハラミちゃんが何者なのかを分かっていなかったので、YOASOBIのボーカルだと伝えた。
ライブとかやってるけど意外と時間あるんだね。
この間友達が観に行ってたよ。人気凄いよね。
ああ、これも仕事だから全体で見れば忙しいのか。
のんきにそんな話をしていた。
こんなテレビ番組に出るもんなのか。
自らの意思で曲を聴いたことがないアーティストではあったが、なんだか拍子抜けした。
ここで矢印を自分に向けてみる。
どうしても流行りの音楽に対して斜に構えてしまう自分がいる。
バンドを辞めて5年は経つ今でもそういった仕草を取ってしまう。
この厨二病的感覚はなかなか抜けないのだと思う。
明らかに大衆的であるものに対して、反射的に目を背けたくなってしまうのだ。
しかしこれも一つの自身の軸。所謂アイデンティティの一つなのだろうか。
十代の過ごし方というのは良くも悪くも非常に大きな要素だということを実感させられる。
その数時間後、紅白歌合戦で観たYOASOBIのボーカルはステージを席巻していてアーティストってやっぱり凄いなと思わされた。
まるで別人だと、感じさせられた。
ステージや演出のパワー、そして本職のパフォーマンスによる輝きの効果は絶大だ。
年が明けて少し経った頃、いつも通り仕事終わりにランニングをし、疲れてソファに沈んでいた。
その時に何気なく付けたテレビにはまたハラミちゃんが出演していた。
また出てる。
YOASOBIって結構イメージを大事にしてそうなミュージシャンっぽいけど、結構切り売りするんだなー。
でもこんなにバラエティ番組に出てるのに、イメージを保ちつつ番組ではハキハキ話していてスイッチが上手いなと思った。
それにしても紅白で観たYOASOBIとは別人だ。
しっかり観ていなかったとはいえ、あまりにも別人だ。
ん???
もしかして、別人???
「ハラミちゃん YOASOBI」

ピアノツアー?
特急ハラミ号って何?
神回?
ご本人登場?
生セッション?
え?本人じゃない?別人?
完全に違う人だった。
別人のようなのではなく、実際に別人だった。
ピアニスト兼YouTuberのハラミちゃん。
YOASOBIボーカルのikura。
食べ物の名前というざっくりとした覚え方をしていたせいで、恥ずかしい間違いをした。
己の思い込みの激しさを自覚して、日々を過ごしていきたいと思う。
お二方とも今年も益々の活躍をお祈り申し上げます。
新年早々、帯を締め直したことへの振り返りでした。