
はじめに。
バランスというワードを聞いたとき、どのようなことを想像するだろうか。
平衡感覚。
調和の取れた状態。
比重。
偏りのない状態。
シーソー。
そのバランスの捉え方。
今回は、自分が取り組むことの力や時間の掛け方におけるバランスについて書いてみたいと思う。
ゴールに向かう過程で用いるバランスと、結果で用いるバランスでは大きく異なる。
私は自我が芽生えてからつい最近までこのバランス感覚について自他ともに認める才覚があると思っていた。
しかしそんなものはまやかしだった。
ある種の自己否定も含みながら、バランス論へ別れを告げたいと思う。
結論
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過程においてバランスを取ろうとしてしまうと、望む結果は得づらい。
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全てをやり切ることで結果的にバランスが取れる。
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バランスは取るものではなくあとで付いてくるもの。
至極シンプルである。
ここからは冒頭で書いた、過程で用いるバランスと結果で用いるバランスについて触れていく。
過程で用いるバランスについて
過程で用いる場合については以下の2つのケースが該当する。
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溢れそうなリソースを前にして、身を守るために用いるケース。
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余剰リソースを前にして、不足しているパワーを補うために用いるケース。
基本的に我々現代人は忙しい。
後者に該当することはなかなかない。
あったとしたらそれは天からの贈り物か、よっぽど行動が遅いかだろう。否が応でも活かしてほしい。
過程で用いるバランスについては、自身の自己評価によってそのバランスの取り方が変わってくる。
相対的な感覚・評価なので言った者勝ちだ。
これが一番困る。
自分を俯瞰してリソースを分配するのが過程で用いるバランスだ。と言ったら聞こえがいいがそううまくいかないケースがある。
容量が100ある人が40:30:30のトータル100というバランスを取る。
容量が120ある人が30:30:20のトータル80というバランスを取る。
容量が80しかない人が40:20:20のトータル80というバランスを取る。
そう、人によっては余りが出てしまうケースがある。
これが非常に勿体ない。
せっかく容量が120あるのに、容量が80の人が適切に取ったバランスと同じだけのリソース配分しかできておらず、40の余りを出してしまっている。
自身を見くびってしまうとそのリソースを活かし切ることなく、本来50点の動きを100点と捉えてしまいかねない。
短期的には失うものがないので問題が表面化しづらいが、中長期的に見たときの絶望感は大きいだろう。
本来有効に使えたはずの時間や体力を透明にしてしまっていたことに気付いた時に。
明示的に失ってはいないが、取りこぼしてしまっている。
私は正直、100%のリソースを使い切れていない時期があった。
当時はやったつもりでいたが、今振り返ってみると出し切れていないと思える時期があった。
だからこそ、この過程においてバランスを取ろうと意識し過ぎてしまう考え方については一度距離を置こうと思っている。
バランスを取ることに対するバランスを取る、というのが適切だろうか。
もちろんリソース不足になって倒れてしまっては元も子もないが、バランスを取るにしてももう少し攻めたリソース配分を目指したい。
結果で用いるバランスについて
次は結果で用いるバランスについて書いていく。
こちらはよりシンプルだ。
自身の中でいくつかある目標に対する達成率がどのようなバランスになったか、という結果だけだ。
あとから振り返ること、もしくは仮説をもとにした予測でしか見通せないバランス。
結果整合が取れているかを確認するためのバランス。
完全結果主義になるので、ここで問われるバランスはとても厳しいものだ。
私で言えば、
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フルマラソンのベスト更新
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エンジニア・ビジネスマンとしての経験をもとにした成長
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他者の創作物をインプットとした成長
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自身のアウトプットをもとにした成長
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ジャンルを問わず心を打つ・打たれる経験
これらが結果的にバランス良く得られて、私という人間の栄養になることを強く望んている。
なので、それら一つ一つをバランス良く摂取しようと立ち回ると却って栄養を取りこぼしてしまうことに繋がってしまいかねない。
もちろん、今月はブログを◯本以上書くだとか計◯kmを目安に走るという定量的な目標に対して明らかに現実が及んでいないといった不足が見られる場合は、短期的にその不足を取り戻してバランスを取ることは結果に対して有効にはたらくこともある。
それは先述した仮説をもとにした予測でしか見通せないバランスに当たる。
結果的に、バランスが良ければいい。
バランスのいい状態は結果やゴールそのものではない。
絶対的な目標と比較して、過不足の差分を確認するのが結果で用いるバランスと言えばいいだろうか。
目標✕結果✕力 という3点で評価したときに、各項目がバランスの良い結果になっていたら気持ちがいいと感じる。
それぞれの均衡が取れているだけで、すべてが60点では気持ちがよくない。
そこに力というバロメーターを加えることで、自分の力を余すことなく使う。という評価点を加えられる。
おわりに。
今までの私は過程におけるバランスに固執し過ぎていた。
今までの自分に感謝を伝えつつ、これからもっと自分の可能性を試してあげたいと思う。
バランスを崩してテコの原理を使えるくらいになれたらいいな。
頑張れ、俺。