第19回世田谷246ハーフマラソン(2024)出走記

3年前まで住んでいた世田谷で催されるこの世田谷246ハーフマラソン。
当選したので当時のことを思い出しながら走ってきた。

ランニングを始めた地で、ランニングという行為に救われた私が、この大会で自己ベストを更新できたということは、とても幸せなことだと噛み締めながら振り返りたいと思う。

なんだかエモくなっちゃうんだよな。世田谷という街。

目標と意気込み

今回はとにかく自己ベスト更新を目指して臨んだ。
具体的には、79分30秒切り。
もっというと79分を切って78分台に乗せたいという具体的な数値目標を掲げて臨んだ。

VDOTに照らし合わせると、78分台で走れればフルマラソンで2時間45分切りと同等の実力であることが確認できたからだ。
私は今のところ ハーフマラソン = 5000M  > フルマラソン > 1000Mという実力で来ているので、ハーフマラソンの記録が伸びればフルマラソンの記録もついて来るのではないかという算段だ。

VDOTの使い方としては邪道だと思うが、フルマラソンの目標に合わせて算出してみた。結果バッチリだった。

結果

グロスタイム: 1時間1851
ネットタイム: 1時間1845

少々厳しいコースだったが、目標を達成することができた。
答え合わせをできたような結果となった。
狙った記録を出すこと。それを達成するための練習を積み重ねること。万全な状態でレースに臨むこと。
全てがうまく噛み合った。

私にとっては今シーズンの開幕戦だったわけだが、ひとつのプロジェクトが成功したような喜びを覚えた。

31歳一発目のレース。上出来!

レースの振り返りと分析

序盤は下り基調、中盤は基本フラット、終盤は上り基調という至って分かりやすいコースだった。
この辺りは土地鑑があるのでなんとなくイメージしやすかった。

246経由で多摩川へ向かい、河川敷を下ってから目黒通り経由で駒沢公園に戻るルート。
うん、分かりやすい。

目黒通りってあんなに傾斜あったっけ?
分かった気で臨んだ結果、痛い目を見た。
そうだよな、大きい川沿いから市街地に出るわけだし。
世田谷、谷って漢字入ってるし。
そういえばチャリ乗るたびに大変な思いしてたわ。

序盤(駒沢公園〜新二子橋)

スタートから駒沢公園を抜けるまでは多少混み合ったが、大きな乱れはなく、下り基調のコースを使って勢いに乗ることができた。

246をひたすら下っていくのは気持ちがよかった。
妻のがん宣告を受けて、死んでしまおうと思った246の自転車車線。
桜新町にある、ジョリーパスタ深沢店の前。
2020年の夏からもう4年以上の月日が経つ。

自分の脚で、その道を駆け抜けていった。
正直どんな気持ちになるか怖かったが、しっかり昇華できていたようで苦しい気持ちは何も生まれなかった。

予定より速いペースで展開していたが、コース特性と自身のコンディションのバランスが取れた采配が出来たと思う。
結果的に、ここでの貯金が終盤の焦りを払拭してくれた。


中盤(新二子橋〜折り返し地点〜目黒通り)

まさに以前よく走っていたランニングコース。
毎週末走っていた馴染みの道との再会に自然と口角が上がる。

序盤に付かせてもらっていた集団が次第にバラけ始めた。
女子の2位に位置する選手の周辺に集団が出来ていたのでそこに付いて走ることにした。
私の狙いより少しペースが遅めだったが、フラットになったタイミングでリズムを取り直したかったので折り返し地点の手前までという期限付きで付いた。

折り返し地点より手前で集団のペースがスローダウンしてきた。
前を走る数人の背中を追いかけてペースアップ。
この単調なコースでひとりになるのは得策ではない。
多少無理してでも付いていくことにした。結果的には狙い通りのペースに。

折り返し地点手前ではトップ選手の軽やかな走りが視界の左側を過ぎていった。
上尾シティハーフマラソン同様、駅伝強豪校選手の実質的な選考の場としても機能している大会なのでピリッとした空気感を味わえる。

舗装中の兵庫橋を越えると砂利道が待っていた。3年振りの再会。懐かしいな。
滑って走りづらいことこの上ないけど、少し増えた沿道の応援に癒された。

あと、「腕を振ると脚が前に出ます!」と、人間の身体の構造をもとに応援の声掛けをしているお姉さんがいてとてもよかった。

終盤(目黒通り〜駒沢公園)

ここからは本当にきつかった。
坂、坂、坂。

多摩川河川敷から多摩堤通りに出るにも坂。
多摩堤通りから左折したら目黒通りの坂。ここが一番の難所。
(等々力不動前交差点好き。久し振り。)
駒八通りに入って深沢交差点を越えたらまた坂。

分かっていてもきついこのコース。
思い出補正なのか単純に記憶が薄れていたのか、この傾斜は想像していなかった。

河川敷から目黒通りで約30mアップなのだが、その後もアップダウンがだらだらと続くので今後出走予定の方は要注意。
先に書いた通り、私は序盤の貯金をここで吐き出し、結果的には狙い通りのタイムを出すことが叶った。
もしここで貯金がなかったらメンタルが先に折れていただろう。
上りで変に頑張って上り切ってからの粘りを効かせられずに中途半端な結果を出す未来もあった中で、うまく走れたと思う。

標高とペース及び出力ペース。坂はあまり頑張らないように上ったが、結果としてはレース中で出力ペースが一番高いゾーンになっていた。思ったよりパワーを使ってしまっていたので、抑える意識を持って走っておいてよかった。

駒沢公園に入ってからは女子の1位の方が見えてきたので必死で抜いた。
頑張り過ぎて嘔吐寸前。危なかった。

競技場に入る前になんとか持ち直したので、腹筋を固め直してラストスパート。
吐き気がくると腹筋にうまく力を入れられないので困る。
最後は数人と競い、お互いのタイムに寄与し合うことができた。

ラップごとのペースまとめ。終盤が大荒れ。

おわりに。

自己ベスト更新できてよかった。
そんだけなんだけども。


妻が亡くなって丸3年経ち、私は私の人生を真剣に続けている。
今年は記事を書かなかった。

妻の三回忌を終えて。|nakanoryo
2023年9月23日(土) 妻の三回忌を執り行った。 普段は朝に弱く早起きとは縁遠い生活をしているが、この日は5時半に目が覚めた。 緊張していたのだろうか。 闘病記を書ききった状態で三回忌に臨んだ。 これを書き切る前でも後でも、それぞれの作...

去年書いた三回忌後の記事を読み返してみた。
あまり心境の変化がないことを確認できた。
変化はないが、妻の死という事象への執着が薄れてきている。
それは決して悲しいことではなく。
私がひとりの人間として胸を張って生きているだけのことだ。

でも今日は当時のことを少し思い出す機会を意図的に与えてみた。

レース後、電車に乗らず246を渋谷まで歩いて帰った。
休日で時間あるし。
しみったれた気持ちになってみた。
でも、あまり気持ち的に入り込めなかった。
今の自分を生きることに必死だからだと思う。

過去の自分とそれを取り巻く環境に縋る必要がなくなってしまった。

ヘッダー画像はキャロットタワーの展望台から撮った世田谷。
ここは相変わらずテンションが上がった。

満足しきったから私はもうこのレースを走ることはないと思う。
ありがとう世田谷の街。ありがとう第19回世田谷246ハーフマラソン。

今日は私の心の中に座っていた過去への執着がふわっと成仏した日だった。
ランニングやっててよかった。

オリンピック記念塔も見守ってくれていてありがとう。の図。

締まりのないあれやこれやを書いてとっ散らかしたけど、こういうもんでしょう。
人は。

ではまた。
次はつくばマラソン頑張ります!

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