ときにそれは語りかける。

金曜日の日記。

2023年12月1日(金)

一週間の仕事を終えた週末。
疲れ果てて出前館で倍ビックマックセット(ドリンク&ポテト両方L変更)を注文した。
疲れているときはジャンクなものを求めてしまう。
冷凍庫には鍋の具材がスタンバイしているが、この日はブルペンに入る気配も与えられなかった。

置き配された倍ビックマックセットを貪り食う。
家で食うハンバーガーは汚く食べた方が美味しさが増す。
(お盆の上で)映画の登場人物のように口をソースで汚しながら速やかに消化器に送り込む。
身体に悪いことは気持ちいいから困る。
これは亡くなった妻もよく言っていたな。

勢いよく食べ終えて、ベッドで小休止。
食後は右側を下にして横たわる分には消化に悪影響を及ぼさないと、中学生くらいのときにテレビ番組で観たので、以降ずっとそうしている。
真偽のほどはあえて確かめないようにしているが、今までそれが原因で消化不良を起こした覚えはないのできっと問題ないのだろう。


なんの変哲もない、90分間のジョギングをした。

ヘッドライトを付けて国道を北上する。
国道はあまりおもしろくないが、できれば夜は歩道が独立した道を選びたい。
闇に紛れて轢かれたくないから。
死ぬときは死ぬが、そのリスク回避については人一倍気にしている。

国道は迷子になる確立が低く面白みがない。
視界をゆっくりと流れていくロードサイド店舗の店名や道路標識を見て脳にインプットしている。
基本的には退屈だ。
ジョギングは退屈を味わう時間だと思っている。
インターバル走などのスピードトレーニング時にはそんな余裕は一切ないが、ジョギングはランニング以外のことを考える余裕がある。
故に退屈である。

私は退屈な時間が嫌いなようでいて好きだ。
退屈をただやり過ごすのは嫌いだが、退屈を自分なりに味わうのは好きだ。

手頃なのはラジオやポッドキャスト。
普段はこれらの外部情報に頼って味わっていることが多い。
気付けば音楽ではあまり満足できない身体になってしまった。

ただこの日はなんとなく脳が元気だったので音楽を聴くことにした。

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テンションに合わせて、カネコアヤノの弾き語りアルバムを薄く流して走った。
この人の歌声は力強さの中にどこか守りたい要素があって唯一無二性がある。定期的にたくさん聴いちゃう。

私のジョギングペースはだいたい5’50”~5’10”/kmほど。
ジョギング中は基本的にペースや心拍数といったデータを見ないが、結果的にはこのあたりに収束している。

このくらいのペースで淡々と刻んでいるとときたまゾーンに入ることがある。
速いペースで走っているときに入る、あのゾーンとはまた別種のもの。

デスクに向かっているときよりも思考へのリソースを動員できる謎の状態。
この日はそれに入ることができた。


20代の日々が走馬灯のように脳裏を通過していく。
いやに具体的に濃淡をつけながら私を置いていく。

国道から県道に逸れて家に戻る、少し街灯が少ない道でのことだった。

ただでさえ夜は感傷的になりやすいのに。
いろいろやってきたなあと、乗せられて嬉しく振り返った。

30代に足を踏み入れてまだ1ヶ月ほど。
地続きではあるが、最近はその道の途中で案外仕事が好きな自分を見出したりしている。

追い求めるもの、追うことを求められているもの、追ってきてくれるもの。
今まではそれらをカテゴライズして追い求めるものこそ至高だろうと思っていたが、最近はそうでもないなと思い直した。

自分が取り組む何らかのことに対してやりきれれば、全力で取り組むことができれば、何でもいいのかもしれないなと思っている。
投げやりなわけではなく、どちらかというとポジティブな意味で。
なんでもやるよ。そう思っている。

なんだか映画を観るより良い体験をしてしまった。
これだからランニングはやめられないな。


前に進むための、動機づけのカテゴライズはこれからも用いてくが、そうではない言い訳のカテゴライズは避けていこう。

やらない理由は探さない。
仮にやりたくないことに直面したら理由を探さず素直にNOを言う。
そういうキャラじゃないから、それは自分の役割ではない、といった可能性をなくすような理由で物事を断る癖をつけないようにする。
今もそんなにしてないけど改めて。


こんな素敵なランニング体験後、帰宅してすぐトラブルに苛まれたけどこれもまた人生。
いい人生を送れてると思ったいい日だった。

振り返ってみると、自分で行けるはずのマックを出前館で頼んで、もう元気がないのかと思いきやそのあと17km走るの気持ち悪いなあ。
受け入れていくかあ。

ある種、2年前の大晦日に書いたnoteの答え合わせというか経過報告のような日記になった。

年の瀬にした独白|nakanoryo
2021年大晦日。 今回は妻の闘病記から逸れて自分の話をする。 今年はいろいろなことが多過ぎて、年内にそれぞれを振り返ることは早々に諦めた。 しかしながら、先日親友と電話をしているときに自分の口から出た謂わば独白のようなものについては書き残...

また日記書こう。

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